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中瀬は外方を向き笑いをこらえて
『だって〜、結城君が面倒くせぇって行って付き合ってくれないんだもん。だから一人で行く〜。』
結城はまた慌てて
『わかった、俺の負けだ。一緒に行くから一人で行くな。』
中瀬は笑顔で自分の腕を結城の腕に絡ませて
『やった、やっぱり結城君は優しいね〜。』
結城は一度立ち止まって中瀬の方を向き
『優しいね〜………じゃないよ。一人で行かせる訳にはいかないだろ。』
中瀬は結城のムキになってる姿に笑って
『結城君は本当に心配性なんだから〜。』
結城は
『誰がそうさせてるんだよ、まったく〜………』
中瀬は結城の言葉に笑っていた。
中瀬さんは凄く可愛くて、他校の生徒からも凄く人気があるから一人にさせて何かあったら、中瀬さんの家族に申し訳なくて………
俺は中瀬さんと凄く仲が良いから周りからは羨ましがられるし。確かに俺は中瀬さんの事は大好きだよ。でもそれは家族ぐるみで幼稚園の頃からの付き合いで幼馴染みとしてだから………恋だの愛だのってレベルは通り過ぎてる気がする。だから周りからは仲の良い兄妹に見られるんだろうな。
まぁ、確かに俺の中では可愛い妹的存在だと思ってる。これは周りには言ってないがつい最近も一緒に風呂に入った。風呂はたまに一緒に入るんだけど、俺は恥ずかしいのだが中瀬さん恥ずかしさはないのか 必ず向こうから誘ってくる。しかも断ると泣かれちゃうし………でもまぁ、相手は中瀬さんだしもう暫くはいいかなって思った。
追伸だけど
この娘は凄く無邪気過ぎて何を仕出かすかわからないからたまにヒヤヒヤする事もある………
『結城君、遅いよ〜。遅刻ちしゃうよ〜。』
中瀬はいつの間にか結城より先を歩いていて、結城が遅い事に大きな声で結城を呼んだ。
結城は慌てて中瀬に追いつき
『歩くのが早いよ〜………』
中瀬は笑って
『結城君が歩くのが遅いんだよ。』
結城は
『中瀬さんが歩くのが早いんだよ。』
中瀬は急に走り出し
『私、足も速いよ〜。さて結城君、私に追いつけるかしら。』
結城は笑いながら
『転ぶから走るんじゃないよ。』
中瀬はまた走って結城が歩いてる場所に戻ってきて
『何よ〜、一緒に走ろうよ。』
結城は
『面倒くせぇ。』
中瀬は目に涙を溜め
『面倒くせぇって………結城君、私が何か言うといつも面倒くせぇって言うんだもん………酷いよ〜。』
中瀬は涙を流し泣いてしまい、結城は驚き慌てて
『中瀬さん、ごめんっ。そんなつもりで言ったんじゃないよっ。』
中瀬は泣きながら
『それじゃ、どんなつもりで言ったの?』
結城は
『どんなつもりでって………本当にごめん、許してよっ………』
中瀬は手で顔を隠し
『どうしようかな〜………』
結城は中瀬の顔をよくみると
『もしかして嘘泣き………?』
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