佳純と純一郎の中学生日記

4/14
前へ
/191ページ
次へ
中瀬は手で顔を隠したままこらえてた笑いを吹き出し 『バレた〜?』 結城は両手で中瀬の左右のほっぺたを軽くつねり 『まったく………驚かすんじゃないよ。』 中瀬は 『だって〜………』 『二人とも本当に仲が良いよね〜。』 クラスメートの村山 早希(むらやま さき)が二人を茶化してきた。 村山さんは明るく明朗活発な女の子で、俺や中瀬さんとは小学校から仲が良かった。 中瀬は笑って 『おはよう。だって私のお兄ちゃんだも〜ん。』 村山は 『おはよう………って、中瀬さん、朝からテンション高いな。』 『おはよう。結城〜、一緒に学校行こうぜ。』 『ホント、中瀬さんと仲が良いよな〜。お前、羨ましいぞ。』 『おはよう。おう、行こうぜ。って、中瀬さんと仲が良いのは俺の中では普通の事だ。』 結城に声をかけてきたのは同じクラスの北島 郷(きたじま ごう)と、森山 喜一(もりやま きいち)だった。 北島と森山とも小学校から仲が良くて、なぜかこの二人とは不思議と馬が合うんだよな。 森山はクラスの学級委員長を務めている。 五人は榎戸商店街を過ぎ茂原駅の改札口を右手に見て南口から北口に歩いていき 北島は 『知らない奴らが見たらお前らは付き合ってる様にしか見えないぞ。』 結城は中瀬を見て 『俺らにとってはこれが普通だよな。』 中瀬も結城を見て 『うん、私達はこれが普通だよね。』 森山は笑って 『結城の立場になってみたいな〜。』 村山も笑って 『私も一日でいいから中瀬さんの立場になってみたい。』 結城は 『それなら今日、森山が俺の立場になって 村山さんが中瀬さんの立場になればいいんじゃない。』 村山は笑って 『それ意味ないでしょ。それなら立場にならなくても森山君とは普通に接してるから。』 森山は冗談で 『中瀬さん、日曜日デートして〜。』 中瀬は笑って 『ごめ〜ん、日曜日は結城君にアスモに付き合ってもらう予定で。』 北島は笑いながら森山に 『あらら、玉砕しちゃったな。』 結城は笑いながら 『それなら俺がデートしてやろうか?』 北島も笑いながら結城同様に 『俺で良ければデートするけど。』 森山も結城と北島の言葉に笑ってしまい 『それ、全然慰めになってないからな〜。』 森山の言葉に四人は笑ってしまった。 村山はクリーニング屋の時計を見ると慌てて 『ヤバッッッ、急がないと遅刻しちゃうよッッッ。』 村山の言葉に結城達は慌てて走り出した。
/191ページ

最初のコメントを投稿しよう!

907人が本棚に入れています
本棚に追加