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五人は学校にギリギリに到着した。
中瀬は自分が毎日使ってる下駄箱を見ると
なんだこれ………?手紙?
結城は中瀬を呼ぶ様に
『中瀬さん、早くしないと置いていくぞ。』
中瀬は結城の言葉に慌てて
『待ってよ〜………』
結城と中瀬は下駄箱で上履きに履き替えてクラスに向かう最中
『結城君、腕組んで良い?』
結城は
『学校では駄目………』
中瀬は頬を膨らませ
『嫌だ、無理矢理でも腕組むからね。』
中瀬は自分の腕を無理矢理結城の腕に絡めて
結城は慌てて
『おい、これやると後ろから必ず来るぞ。』
中瀬は結城を見てウィンクをして
『ふふふ………だからワザと腕組んでるの。』
結城は中瀬に感心して
『ちゃんと先を考えてるんだね………』
中瀬は笑顔で
『当たり前じゃない。さてそろそろ来るよ。』
『どけどけどけ〜………』
後ろから上履きで廊下を走って、いや、ダッシュして来る足音と声が聞こえてきた。
結城は前を向き歩きながら
『来たみたいだよ………』
中瀬も結城と腕を組みながら前を向いて歩きながら
『来た………、いち、にの………さんッッッ、離してッッッ』
結城と中瀬は腕を離した瞬間、ダッシュして突進して来てワザと二人の間を通り過ぎた瞬間
ドンガラガッシャン………
何故か派手に転んだ………
『痛った〜、転んじゃった………って、おはよう。』
結城と中瀬は立ち止まった。
結城は気の毒そうに
『お………おはよう。しかし派手に転んだな………』
中瀬は笑いを堪えて
『あのさ、大村さん 一言いわせてもらうけど………私達が腕組んでる時に限って二人の間に突進してこないでくれる。』
派手に転んだのはのちに鴨川潮騒高校で結城と同じクラスになる大村 正美だった。
大村は立ち上がり笑って
『腕組んでるとどうしてもやりたくなっちゃうのよ。次は負けないから。』
そう言って自分のクラスに入って行った。
中瀬はクラスに入って行く大村の背中を見ながら
『ここまで派手に転んでまでまだやる気なの………? 本当、毎回懲りない人だな。』
結城も中瀬同様に大村の背中を見て
『って………これに勝ち負けあるのか………?』
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