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キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン………
学校中にチャイムが鳴り中瀬は
『ヤバイ、ホームルームが始まっちゃう。結城君、急ごう。』
二人は廊下を走って自分達のクラスに向かった。
走りながら結城は中瀬に
『1限目何だっけ?』
中瀬も走りながら
『確か英語だと思った。』
結城は
『朝一に英語かよ、面倒くせぇ………』
……………
昼休み女子トイレの個室
中瀬は朝登校した時に、自分の下駄箱に入ってた手紙を開けてみた。
えっ、茂原中央中学校のサッカー部の山北って人からだ………
この前も付き合ってほしいって内容の手紙をもらってはっきり断ったのに………
今回もはっきり断らないと………え〜っと、場所は、どこに来てくれって書いてあるんだろ?
結城君には………一言断りに行くだけだし言わなくていいか………
中瀬は教室に戻った。
……………
中瀬は自分の席に座ろうとした時、横の席に座ってる結城が
『中瀬さん、何かあった?』
一瞬中瀬はドキッとしたが
『何もないよ。どうして………?』
結城は腕組みをし中瀬に
『俺の勘違いなら別にいいさ。』
中瀬は笑顔で
『うん、大丈夫だよ。結城君、考え過ぎ。』
って………この男、珍しく勘が鋭い………
そう思いながら中瀬は結城の顔を見ながら席に座った。
……………
その日の放課後
『さて、英語の提出物を職員室に持って行こうかな。』
結城は英語の提出物を手に持ち、ふと中瀬を見ると帰る準備をしていたので
『ん?何だ、今日は珍しく一緒に帰ろうって言わないのか?』
中瀬は鞄を持ち
『急用が出来たから先に帰るね。夕方、結城君の部屋に行くから。』
中瀬はそう言うと慌てて教室を出て行った。
結城は中瀬の背中を見ながら
『急用って………そんな慌てて走って行ったら転ぶぞ〜。』
結城家と中瀬家って面白い事に、俺と中瀬さんは何も言わず、挨拶もしないでお互いの家の玄関を開けて普通にお互いの部屋に行けるって、普通じゃ出来ない事が出来るんだ………
あっ………俺も職員室に行かないと………
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