907人が本棚に入れています
本棚に追加
東京駅
新幹線の中
結城は椅子に座り
『茂原市から東京は遠いな〜。いくら学校からバスで東京駅に行くって言っても朝早かったから眠い。京都まで爆睡決定………』
『私の席は………ここだここだ。結城君が居るから直ぐにわかる。』
中瀬が結城の横に座った。
結城は中瀬を心配し
『遅かったけどどうした? 』
中瀬は
『村山さんとトイレに行ってた。』
結城は
『絶対に一人では行動しちゃ駄目だよ。』
中瀬は笑って
『私の事、心配してくれてるんだ〜。』
結城も笑って
『誰が心配するかよ。』
中瀬は外方を向き
『あっそ………これからずっと一人で行動しちゃうからいいや………』
結城は
『そんな怖い事言わないでくれる?』
中瀬は
『だって結城君、私の事心配じゃないんでしょ〜。だから一人で行動するからいいや。』
結城は
『わかった、俺の負けだ………だから一人で行動するのは禁止だからな。』
中瀬は
『は〜い、わかりました。』
結城は
『素直でよろしい。班行動の時も俺から離れちゃ駄目だからな。』
中瀬は笑って
『まったく、結城君は心配性なんだから〜。』
結城は
『そうやって人を茶化すなら本当に心配してやらねーぞ。』
中瀬はにっこり笑って
『大丈夫、結城君はそんな事出来る人じゃないの知ってるから。』
結城は中瀬を見て
『まったく俺の気も知らないで………誰のせいでこうなったんだか………』
中瀬はいきなりうつむき
『ごめん………だから今までも私は安心して楽しめてこれたんだもんね………』
結城は中瀬が一瞬悲しい顔をしたのを見逃さなかった。結城は焦って
『可愛い妹を心配しない兄貴がどこにいるんだよ。絶対一人では行動するなよ、何かあれば俺が一緒に行動するからな。』
中瀬は結城の言葉に
『うん、わかった。ありがとう………』
新幹線は定刻通り東京駅を発車した。
最初のコメントを投稿しよう!