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その日の夜
班長会議が終わり就寝時間になり、もちろん楽しみと言う興奮でどの部屋の生徒達は眠れぬ夜を過ごしていた。
この部屋にも眠れぬ者達が居た………
森山は布団を被りながら小さな声で
『結城、起きてる?』
森山同様に布団を被ってる結城は小さな声で
『全然眠れねえ〜………』
北島は布団から体を出した状態で小さな声で
『俺も眠れね〜し………』
森山は被っていた布団をひんむいて
『俺も眠れなくて………』
北島は自分が思っていた疑問を結城に
『お前、中瀬さんの事好きなのか? 』
結城はにっこり笑って
『大好きだよ。ただ恋愛うんぬんじゃなく妹的存在としてさ。』
森山は結城を見ながら
『家族ぐるみで仲がいいんだっけ? 』
結城は森山を見てその質問
『兄妹みたいな感じで育てられたからな。だから中瀬さんが俺の目の前に居るのは当たり前って思ってる。』
北島は笑いながら
『確かお互いの部屋には普通に行き来出来るんだろ。』
結城は北島の質問に一瞬笑って
『そんな時はお邪魔しますの言葉もなくて平気なんだ。』
森山は結城の言葉に驚き
『それ凄いな………普通ならありえないよ。』
結城は笑って
『普通はね………気がついたらそうなってた。』
北島は志望校の事で二人に
『そう言えば志望の高校はあるの? 俺は大原高校だ………』
森山は北島の質問に
『志望の高校? 北島は大原高校志望なんだ。俺は長生高校が第一志望かな。』
結城は森山の志望校に
『森山は頭が良いからやっぱり長生高校か。』
森山は結城の志望校を聞こうと
『そう言う結城はどこを志望してるんだ? 』
結城は森山の質問に体を仰向けにして天井を見ながら
『俺か? 俺は鴨川潮騒高校を志望してる………』
北島は結城の志望校に驚き
『何で鴨川潮騒高校なんて………遠いだろ………』
森山も北島同様に、結城の志望校に驚いて
『結城の頭なら大多喜高校とか大原高校に行けるだろ………』
結城はずっと天井を向いたまま
『色々と環境を変えたくてさ………』
北島は中瀬の事を心配し
『それ中瀬さんは知ってるのか………? 』
結城は横に首を振り
『まだ言ってないし、向こうから聞いてくるまで俺からは言うつもりはないさ………中瀬さんとは幼稚園から一緒だったけど中学で終わりになるだろうな………』
森山も中瀬を心配して
『それじゃ中瀬さんが可哀想だよ。』
北島は結城を説得すべく
『ここまで来たらもう少し一緒に居てやれよ。中瀬さん、泣くぞ………』
結城は
『俺は良いとしても中瀬さんが何て言うか。隣同士だったし学区が一緒だから幼稚園からずっと一緒だったけど、義務教育が終わって………お互いに自由に行きたい高校に行けば良いと思ってる。』
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