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真夜中
結城と中瀬は椅子に座り防犯カメラの映像を確認していた。映像は部屋の一番近くの映像で、小百合が居た部屋も良く見える画像だった。
結城はブラックコーヒーを飲みながら
『早坂さんの話し、ボーイがドアをノックしてって話しだけど………』
中瀬はブラックコーヒーを一口飲み
『ボーイさんどころか、だれも来てないんだけど………』
結城は腕を組み
『どう言う事だ………?』
暫くして
『どう? 何か映ってた?』
敬子が事務所に入って来た。
結城は敬子の方を向き
『敬子、寝不足しちゃうから寝てなよ。』
敬子は結城の真後ろに立ち防犯カメラの映像を見ながら
『小百合が心配でさ………』
結城は防犯カメラの映像を早戻しをし
『ボーイさんがノックしたって話しだけど………』
中瀬は敬子の方を向きながら
『そのボーイさんが映ってないんだよね。ボーイさんどころか、誰も来てないんだよね。』
敬子は2人の言葉に驚き
『えっ、本当に?何かの間違いじゃなく?』
結城はまた腕を組みながら
『俺も頑張るけど…………最悪は沖谷さんに甘えて弁護士さんを頼む可能性がね。明日、山本宅とホテルに行ってくる。』
ガタ………
『弁護士は今すぐでも大丈夫だよ。』
佳奈枝が事務所に入ってきた。
結城は佳奈枝の方を向き
『明日に差し支えるから寝てなよ。』
佳奈枝も結城の真後ろに立ち防犯カメラの映像を見て
『私も小百合の事が心配でさ………』
結城は真後ろにいる敬子と佳奈枝の方に自分が座ってる回転椅子を回転させ
『明日、山本宅とホテルに行きたいな。この事件、必ず早坂さんの無実潔白を証明しないと………早坂さんは眠れてるの?』
敬子はソファーに座り
『疲れてるみたいで眠ってるよ。』
結城は机に肘をつき
『明日、野間口にも話しを通しておかなきゃな。後々、色々と協力してくれるだろうし。』
中瀬は椅子の背もたれに背中を付け
『また、ここが狙われた時の為にもね。』
ガタ………
『私の為に………本当にごめんなさい………』
小百合が事務所に入ってきた。
敬子は寝てると思われた小百合の姿に驚き、ソファーから立ち上がり小百合の正面に立ち
『小百合、一番疲れてるんだからゆっくり寝てなきゃダメだよ。』
小百合は正面の敬子に
『私が当たりもしない占いを信じたばっかりに………』
小百合は泣き出し、敬子は小百合の頬を軽く摩り
『一緒に寝ようか。小百合は何も心配しなくて良いから。泣く事ないからね。』
敬子は小百合を布団が引いてある部屋に連れていった。
結城はソファーに座ってる佳奈枝に
『早坂さんをホテルの部屋に一緒に行って、現場検証したいけど、大丈夫かな………』
佳奈枝はソファーから立ち上がり
『多分、ヤバイ気がする。相当ショックを受けてるよ。』
結城はため息をつき
『だよな〜………早坂さん無しで現場検証をしてみようか。』
中瀬は
『暫く様子を見て、それからホテルに連れて行けるか見極めようよ。』
結城はパソコンからSDカードを取り、パソコンを閉じて
『そうしようか。明日、居酒屋大将に寄ってそれから一人で行こうかな。』
『結城君ッッッ、結城君ッッッ!!』
佳奈枝が泣いて結城をじっと見つめてる中瀬の姿を見て結城を呼んだ。
『何、一緒に連れて行けって?』
中瀬は黙ったまま頷いた。
結城は
『それじゃ一緒に行くか。』
その瞬間中瀬は笑顔になり
『うん、もちろん一緒に行く。』
結城は
『ほら、嘘泣きだ………沖谷さん、これはいつもの事だから俺は驚かないし。』
中瀬は笑って
『だって〜………』
佳奈枝は二人の会話に笑っていた。
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