捜査開始

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山本の玄関前で中瀬は 『まさか、またアレで中に入るの?』 結城は笑ってポケットからアレを出して 『中瀬さん、御名答。良くわかったね。インターホン鳴らして誰も居なければ使う。』 ピンポーン……… 中からは何の反応もなく、野間口は 『お前の必殺技のひとつ、針金で鍵開け………』 結城は 『玄関開けて中に入ったら、すぐに玄関閉めてね………』 カチャ、カチャ、ガチャ……… 鍵が開き結城は玄関を開け中に入り 『急いで玄関を閉めて………』 3人は中に入り玄関を閉めた。 結城はタンスの中を調べると 『何だこれ?何かの名簿か………一応持って行こうか。』 何人もの女性の名前が書いてある何かの名簿を袋に入れた。 中瀬は写真たてに目をやると 『結城君、これ………』 結城は中瀬が見てる写真たてを見ると 『あれ?この山本と一緒に写ってるこの娘って………』 中瀬は 『そうだよ、結城君達のクラスで一緒だった川口 静恵さんだよね………』 結城は 『この2人はどう言う関係なんだ………世の中狭く感じた気がする。』 中瀬は 『もちろん持ち帰りするの?』 結城は 『もちろん持ち帰り決定。』 野間口は 『お約束だけど、携帯電話の明細書も持ち帰りするよ。』 結城は 『貿易会社の社長がこんなところに住むのかな………』 中瀬は 『嘘だったと思うよ。部屋を調べてもそれらしき物が出てこないじゃん。しかし、不思議なのは婚活パーティーで何で早坂さんに嘘をついたのかな?』 結城は 『婚活パーティーを開催した会社には職業はどう伝えてあったんだろ………これも確認する必要があるよな。』 野間口は台所から出てきて 『薬物はないみたいだね。そうだそうだ、台所の茶ダンスの中にSDカードを見つけたぞ。』 結城は押入れを開けるとアルバムが置いてあった。 『このアルバムも持って行こう。今日は撤収しよう。そのSDカードは早坂さんか敬子にお願いしよう。大門にも調べてほしい事ができた。』 中瀬は 『それじゃ撤収しようよ。』 3人は山本のアパートを出て、車が止めてある駐車場に向かい車に乗った。 鴨川に向かう車中 結城は 『まさか川口静恵の名前が出てくるとはね。』 川口 静恵(38) (かわぐち しずえ) 結城達と同じ学校でB組出身だった。高校の頃は気難しい性格だった。 中瀬は 『私も最初写真見た時は驚いたよ。』 結城は笑って 『別れ話しからの犯行か。』 野間口も笑って 『別れ話しの犯行で、ここまで大きくやるのか。』 結城は 『会って話しをしなきゃね。気難しい性格が直っていればいいんだけど。って、話ししたくないな〜。』 中瀬は笑って 『輪をかけて酷くなってるかもよ。』 結城は一瞬背中に寒気が走り 『気が重くなってきた。』
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