捜査開始

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結城はため息をつき 『ホテルに行って何か見落としてる事があるか………確認したいよな。』 敬子は笑顔で結城の頬を触り色っぽく 『純く〜ん、まだ捜査は始まったばかりなんだよ〜。そんな顔しちゃ駄目〜。』 結城は敬子の仕草と話し方に一瞬驚き 『今、物凄く可愛く見えた………』 敬子は笑ってまた色っぽく 『そぉ〜お………?』 結城は立ち上がり敬子に背を向け 『普段もそんな感じなら旦那として嬉しいんだけどな。』 敬子は腰に手を当て 『こらこらこら、それって普段の私はどうなのって話になっちゃうじゃん。』 結城は笑って 『黙秘権を行使します………」 そう敬子に言って結城は事務所の外に出た。 敬子は結城の後ろ姿を見ながら 『黙秘権ってずる〜い。って、純くん 逃げた〜………』 中瀬は慌てて立ち上がって 『待ってよ〜、私も一緒に行く〜。』 敬子は笑って 『まったく〜、純君は〜………』 小百合は二人の絡みに笑ってしまい 『羨ましいぐらい仲が良いよね。』 敬子はベビーベッドに居る華蓮を抱かえ 『いつもこんな感じだよ。華蓮ちゃん、ご飯の時間だよ〜。小百合、華蓮ちゃんにおっぱいあげてくるね。』 小百合はパソコンに山本の自宅にあったSDカードを差して 『私はSDカードの暗号を解読してるね。』 …………… 結城は運転席に座りエンジンをかけた。 助手席に座ってる中瀬は 『今日はどうするの?』 結城は 『実はまだ決めてない………』 中瀬は結城の言葉に驚き 『って、決めてないってどうするの?』 結城は 『大門から連絡が来ればな………』 中瀬は 『頼みの綱、防犯カメラがああじゃね〜………』 結城は車を走らせ 『もう一度ホテルに行こうか。何か見落としてるかも………』 中瀬は 『りょーかーい。』 …………… ホテルのロビー 結城と中瀬はロビーに設置してある椅子に座りブラックコーヒーをテーブルに置いて一服していた。 結城は 『何事もやる前にやっぱりコーヒーを飲まないと始まらない。』 中瀬は 『ようだよね、仕事始める前のこの時間は大事だよ。』 結城は 『飲んだら始めるよ。』 中瀬は 『らじゃ〜………』 結城はコーヒーを飲みながら 『もし犯人が最初から部屋に忍び込んでいれば………』 中瀬は 『ただし、中に誰が何時に入ったか防犯カメラの映像には映ってないんでしょ?』 結城は 『まだ、そこまでは確認してないんだ。防犯カメラの映像を0時から24時間、確認するのは時間かかるって………』 中瀬は 『そうだよね〜………』 結城は立ち上がって 『さて始めようか………』 二人はホテルの部屋へと向かった。
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