捜査開始

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暫くしてフロントから、上司らしき男性が結城達の前に現れ名刺を二枚テーブルの上に置いて 『私はここのフロントの責任者です。鍵の件でお聞きしたいとの事と………』 結城と中瀬もテーブルの上に名刺を置いた。 結城は 『私、元刑事で今は便利屋を営んでますが、その傍ら鴨川警察署捜査一課若手教育係としてやらせて頂いてます。』 中瀬は 『私は便利屋で社員として働いてる傍ら、助手として捜査をさせて頂いてます。 結城は 『質問があるのですが、ここのホテルのカードキーはフロントの方々で管理してるとの事ですが、持ち出す事も可能なのですか?』 フロントの男性上司は笑って 『フロントが鍵を持ち出す事は絶対に無理です。それでしたら論より証拠、私に着いて来て下さい。』 フロントの男性上司は立ち上がりフロントがある方に歩いて行った。 結城と中瀬も椅子から立ち上がり慌ててフロントの男性上司の後を追いかけた。 …………… フロントの奥の部屋 フロントの男性上司は結城と中瀬を奥の部屋に案内し 『ここは普段は関係者以外立ち入り禁止なのですが、お客さんがチェックインしてきたらこのパソコンで部屋を予約されたお客様の名前を入れると、パソコンの横の機械からカードキーが出てきてお客様に渡す様になってます。もちろんパソコンにもチェックインの時間が出ます。他にカードキーを使ってドアを開けた時間も細かく出ます。』 結城はその機械を見て 『なるほど………チェックアウトする場合は?』 フロントの男性上司は 『チェックアウトの場合は、お客様がフロントでチェックアウトした後に、カードキーをまた奥の部屋まで持ってきて、パソコンを使って、カードキーをまたこの機械に入れて終了です。返却時間もパソコンに出ます。』 中瀬もその機械を見ながら 『これじゃ、部屋の中で待ち伏せって推理はなさそうだよね。』 結城はフロントの男性上司に 『わかりました。ありがとうございます。また何かあればよろしくお願いします。』 フロントの男性上司は笑顔で 『いつでもお待ちしてますよ。』 …………… ホテルの駐車場 結城は運転席に座りエンジンをかけ 『鴨川警察署に行こうか。』 中瀬は助手席に座り 『ネクタイピンを渡しに行くんだよね。りょーかい。』 結城はハンドルを鴨川警察署に向け 『ネクタイピンの指紋だけ採取してもらって、ネクタイピンは返してもらわないと また店巡りする事になるだろうから。』 中瀬は店巡りの話しに 『久々に結城純一郎との対決が出来るんだね。』 結城は 『まだわからないけど、店巡りする事になったらの話しだよ。』 中瀬はネクタイピンが入ってるビニール袋を見て 『でもこのネクタイピン高級だよ。これダイヤモンドが埋め込まれてるし………』 結城は笑って 『それじゃ、中瀬佳純との戦いが久々に火蓋を切る事になるな。』 中瀬は 『もちろん賭けはキスだからね。これは譲れない。』 結城は 『またそれかよ。他にないんか………』 中瀬は笑って 『キスが駄目ならエッチでも良いよ。やっぱりキスは止めてエッチにしよう。』 結城は 『最初に見つかれば良いんだしエッチでもキスでも何でも来い。今回は負ける気しないし………』 中瀬は喜んで 『約束だからね。エッチ忘れないでよ。』 車は鴨川警察署に到着した。
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