901人が本棚に入れています
本棚に追加
/191ページ
結城は
『良いところって、どんな感じまで?』
主催者の女性は
『気の合う女性を見つけて、良いところまで行くらしいのですが………駄目になってまた婚活パーティーに参加してると本人が言ってました。』
結城は
『仲良くなった女性達の名前ってわかりますか?』
主催者の女性はタブレットを確認し、またタブレットを結城の方に向けた。
『確か、この前の館山市のホテルではこの女性。その前の鴨川市のホテルではこの女性。で、その前の南房総市千倉町のホテルではこの女性。その前の鴨川市のホテルではこの女性だったと思います。』
結城はメモ帳に書き込みをしながら
『ありがとうございます。また何かあれば教えて下さい。そうだ、彼女達の写真はありませんか?あればお借りしたいのですが………』
主催者の女性は笑顔で
『私どもでわかる事であればいつでも大丈夫ですよ。写真ですか?ちょっとお待ち下さい。』
主催者の女性は一度立ち上がり奥に行き、暫くして戻ってきて結城に渡し
『この写真で良ければどうぞ………』
結城は4枚の写真を受け取り
『ありがとうございます。お借りします。』
……………
鴨川市役所の駐車場。
結城は運転席に座り時計を確認し
『今日は帰ろう。明日朝一番にまた山本のアパートに行ってもう一度部屋をあさりに行くよ。まだ何かありそうだし。』
助手席に座ってる中瀬は
『りょーかーい。』
結城はエンジンをかけて太海の事務所に向かった。
運転中の結城は
『帰って風呂入って居酒屋大将に行こう。』
中瀬は
『私もお供しまーす。』
結城は
『しかし山本は、自分の職業をなぜ偽ったんだろうな………』
中瀬は
『何か偽らなきゃいけない理由があったのかな?』
車は鴨川が流れてる川に架かる橋、加茂川橋を通り その先を左に曲がって太海に抜ける海沿いの坂道に入り結城は
『偽らなきゃマズイ理由………』
中瀬は助手席から海を眺めながら
『何か理由がなきゃ偽らないよね。』
結城は鴨川青年の家を通り過ぎ
『偽らなきゃマズイ理由………確かに偽らなきゃマズイ理由があったって………中瀬さんの推理は当たってると思う。ただ、その偽らなきゃいけない理由………全然読めないな………』
中瀬は
『明日また山本宅に行くなら、その偽らなきゃいけない理由を探してみようよ。』
結城は
『うん、そうだね………』
中瀬は笑いをこらえ
『そう言えば さっきのタブレットに早坂さんの情報もあったの気がついた?』
結城は爆笑し
『茶道と華道か?』
中瀬もこらえてた笑いが吹き出てしまい
『あれ本当かな〜?』
結城はまだ爆笑しながら
『絶対に嘘に決まってるだろ。茶道と花道やってるなんて聞いた事ないし。まったく見栄ばかり張るんだから………笑いがとまらないし………』
………………
居酒屋大将座敷席
野間口は日本酒とサワー2つ烏龍茶を1つを運んできた。
『しかし山本って、何かありそうだよな。』
その後に越智がおでんを運んで来た。
『自分の職業を偽ってたって話しから何かしらありそうだよ。』
結城は
『なぜ偽る必要があったのか………』
敬子はサワーを飲みながら
『そんな場所で偽わるなんて最低だね。』
中瀬はサワーを飲み干し
『女の敵だよ。フリーターなのに貿易会社の社長って登録してて本当に最低だよ。』
結城は日本酒を飲み
『時間があれば、山本と仲良くなったって女性達にも話を聞きたいよな。』
結城は酔っ払った勢いで小百合のほっぺたを軽くつねり
『早坂さ〜ん、やけに静かじゃ〜ん。いつもの早坂さんが見たいな〜。』
小百合は
『結城君が大きく見える………』
結城は笑って
『そりゃ〜早坂さんと比べればガタイは大きいって。』
越智は
『そう言う意味じゃないって。頼れる存在って意味だよ。』
結城は早坂に
『そっか………何も心配する事はないからね。普段の早坂さんを見せてよ。』
小百合は
『結城君、ありがとう。お敬には申し訳ないけど、結城君の暖かさが凄く伝わってくる。』
結城は酔った勢いなのか笑って
『一度で良いから早坂さんが酒飲んだところを見てみたい。』
小百合は照れた様子で
『結城君のリクエストであればいいよ………』
最初のコメントを投稿しよう!