婚活パーティーの女達

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朝4時 トントントン……… ガタ……… 『おはよう。』 中瀬が台所に入ってきた。 『って、珍しく結城君が台所に立ってるし………敬子さんは寝坊?』 包丁で野菜を切ってた結城は 『うん、寝坊してるから起きるまで寝ててもらう予定。昨日は眠れなかったみたいでさ。』 中瀬は包丁で野菜を切ってる結城の横に立ち 『私が朝食作るから座ってて。』 結城は中瀬に台所を任せ椅子に座り 『それじゃ任せるね。』 中瀬は包丁を持ち野菜を切り始め 『今日は予定通り婚活パーティーで山本さんに関わった女性陣に話しを聞きに行くの?』 結城は腕を組み 『この事件、まだ何もわかってないから何か知っていれば知りたいなって思ってさ。婚活パーティの主催者の方が教えてくれた住所に行って話しを聞きたいな。』 中瀬は野菜をフライパンに入れながら 『私も行くからね。そう言えば早坂さんは大丈夫なの?』 結城は笑って 『今日はもしかしたら敬子より起きてくるのは遅くなるかもよ。』 中瀬は味噌汁を作りながら 『初めて飲んだしね。』 結城は立ち上がって 『初めてにしては飲み過ぎたかもな。二人共今日は寝かしておこうよ。華蓮を連れてくる。』 結城は華蓮を抱っこして台所につれてきた。 『華蓮、おはよう〜。』 華蓮は結城の顔を見て笑顔で 『ダァー、ダァー………』 結城も笑顔で 『華蓮、今日も笑顔が可愛いな〜。』 華蓮もまた笑顔で 『キャッ、キャッ………』 ガタ……… 『おはよう、ごめんね〜 寝坊しちゃった………』 敬子が慌てて台所に入ってきた。 中瀬は冷蔵庫を開け 『今日は朝食は私が作るね。敬子さん、顔を洗ってきなよ。』 敬子はタオルを持って 『ごめんね、今日はそうさせてもらうね。』 中瀬はフライパンにオリーブオイルを入れ 『敬子さんが寝坊なんて珍しいじゃん。』 敬子は照れながら 『最高の枕で寝られたから………』 敬子はそう中瀬に言って洗面所に顔を洗いに行った。 中瀬は敬子の言葉に不思議そうに 『最高の枕?』 結城は中瀬から目をそらしていた。 中瀬は片手に包丁を持ったまま結城の耳元で小声で 『何かあったでしょ?』 結城は包丁を持ってる中瀬の迫力に小声で 『な、何もないって………危ないからこっちに包丁を向けるなよ〜………』 中瀬は結城を睨み 『後で車の中で取り調べしてやる………』 結城は中瀬の背中を見て 『今日の中瀬さん、マジ怖い………』
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