婚活パーティーの女達

4/13
前へ
/191ページ
次へ
結城は朝食を食べ終え事務所で新聞を読んでいる時 ガタ……… 『おはよう………ごめん、寝過ぎちゃった………』 小百合が起きてきた。 結城は小百合を心配し 『体調は大丈夫なの?二日酔い大丈夫なら朝食を食べてきなよ。今日は中瀬さん手作りだよ。』 小百合は笑顔で 『うん、大丈夫みたい。昨日私帰りどうやって帰ってきたの?………中瀬さん手作りもお敬子の手作りも美味しいから楽しみ。』 結城は冗談で 『帰り?え〜っとね、凄いハイテンションで………初めてあんな早坂さんを見たよ。』 小百合は驚き 『えっ、本当に?私、記憶にない………》 その時、敬子が華蓮を抱っこして事務所に入ってきて 『純君、嘘言わないの。小百合が可哀想でしょ。小百合が飲んだ後、眠っちゃって純君がおんぶしてここまで帰ってきたんだよ。』 小百合は敬子の言葉に安心し、結城に 『結城君、そうやって嘘ついて楽しむんだもん………』 結城は 『ごめん………』 小百合は照れながらうつむき、結城から目をそらして 『それと………おんぶしてここまで連れて来てくれてありがとう。』 結城は笑って 『寝顔が可愛かったよ。』 小百合は一層顔を赤くし照れて、その姿を見た敬子は笑って 『小百合、顔が真っ赤だよ。』 小百合はタオルで顔を隠し 『二人共、意地悪なんだから………』 中瀬はその光景を見て笑いながら 『早坂さん、顔洗ってきちゃってよ。その間に朝食温めちゃうから。今日は私が朝食作ったから食べてほしいな。』 小百合は 『うん、わかった。中瀬さんの手作り、美味しいもんね。顔 洗ってくる。』 小百合は洗面所に入って行った。 …………… 結城は運転席に乗り込み 『鴨川市二件、千倉町一件、館山市一件、全部で四件だね。』 助手席に座ってる中瀬は 『捜査が進展する様な情報が聞ければ良いね。』 結城は車を走らせ 『最初は鴨川市から攻めよう。』 中瀬は 『らじゃー………』 結城は 『しかし、フリーターなのに貿易会社の社長って嘘まで言って婚活パーティーに参加するって………もし上手くいったとして最後にはバレるだろうに、どうするつもりだったんだろうね。』 中瀬は 『男の人は見栄っ張りって多いよね。山本さんが本当に嘘ついてたなら詐欺だよ。』 結城は笑って 『婚活パーティに参加してる女性だって詐欺だぞ。』 中瀬は 『結城君の事だから、何が言いたいかわかるけど………一応聞いとく。で、婚活パーティーに参加してる女性の何が詐欺なの?』 結城は笑いながら 『あの化粧が詐欺だよ。化粧落としたら別人ってぐらいの化粧………』 中瀬も笑って 『みんな気合い入れて参加してるの。化粧落としたら別の顔………騙される男性陣が悪い………』 結城は中瀬の言葉に爆笑した。 『中瀬さんも化粧落としたら別の顔だったりして………』 中瀬は鞄から手鏡を出して自分の顔を映し 『私の化粧は薄いからね。それと昨日 敬子さんと何があったの?』 結城は中瀬の言葉に 『な………何もないよ、何もなかったよ。』 中瀬は結城の方を見て 『私、結城君との付き合いって一番長いんだよ。結城君が嘘つくと直ぐにわかるんだからね。』 結城は 『敬子が眠れなかったみたいで、腕枕しただけだよ。そしたら寝すぎるぐらい眠れたみたいで。』 中瀬はうつむいて 『敬子さん、羨ましいな………』 結城は 『中瀬さんにもやってあげるから。』 中瀬は 『約束だからね………』 最初の女性の自宅前に到着した。
/191ページ

最初のコメントを投稿しよう!

909人が本棚に入れています
本棚に追加