婚活パーティーの女達

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結城は車を降りて周りを確認し 『多分、あのアパートか?』 中瀬も車を降り 『えっ?どの建物?』 結城は指をさし 『あのレジデンス千倉って書いてある三階建ての建物。』 中瀬は 『今風のアパートだね。それじゃ行ってみようか。』 結城と中瀬はアパートの集合ポストを確認した。 結城は 『105号室だね。やっぱりチラシとかそのままだな。暫く帰って来てなさそうだ。』 中瀬も 『この展開はやっぱり………?』 結城は中瀬に 『一応、部屋まで行って見よう。』 ピンポーン……… 中瀬は105号室のインターホンを鳴らした。 ピンポーン……… 中瀬はもう一回インターホンを鳴らし 『居ないみたいだよ。どうする?』 結城は鞄から腕章を出し腕に巻いて 『隣の住民に聞いてみたいな。』 ピンポーン……… 《どちら様ですか〜?》 結城は隣の部屋のインターホンを鳴らすとインターホン越しから男性の声が聞こえ 『私、鴨川警察署捜査一課若手教育係の者です。』 《警察!?………少々お待ち下さい。》 ガチャ……… 玄関が開き隣の住人が出てきた。 『警察の方が自分に何か用ですか?』 結城は 『隣の部屋の女性の事で聞きたい事が………』 隣の住人の男性は 『そう言えば女の人、前はよく顔を見ましたが最近は見ないですね。』 結城は 『最後に見たのはいつ頃ですか?』 隣の住人の男性は 『あれは確か〜………そうだ、自分の誕生日の日だ。一階の出入口ですれ違ったのが最後でした。』 結城は手帳にメモをしながら 『その時の格好って覚えてませんかね?』 隣の住人の男性は 『格好ですか………そうだ、旅行鞄を持って出かけました。彼女の格好を見て、旅行かよ 羨ましいなって思ったのを思い出しました。』 結城は鞄から名刺を出して隣の住人の男性に渡し 『ありがとうございました。また何かあれば教えて頂けませんか?私、元刑事で今は便利屋を経営してるかたわら、頼まれまして鴨川警察署若手教育係として捜査をしてます。』 隣の住人の男性は 『わかりました。何か思い出したら連絡します。』 …………… 結城は運転席に乗り込みエンジンをかけた。 中瀬は助手席でシートベルトを締め 『これ、何かヤバイ展開って思うのは私だけ?』 結城は館山市にカーナビを登録し車を走らせ 『ちょっとヤバい展開になって来てるね………』 中瀬は 『次の女性も旅行にって話しで、ポストが凄い事になってるんじゃないの?』 結城は 『ここまでくれば そう考えるねか自然だろうね。』 中瀬は 『この展開って、もしあそこで山本さんが殺害されてなかったら………まさか………』 結城は 『早坂さんも同じ被害に遭遇した可能性が大きいよな………』 中瀬は 『山本さんには申し訳ないけど、早坂さんはこの事件に遭遇して助かったって事だよね………』 結城は 『うん、そう言う事になるよな。』 結城は千歳駅近くの踏切を渡り瀬戸交差点とトンネルを通り過ぎ館山市に向かった。 結城が運転してる車の真横には内房線の車両が走っていた。
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