婚活パーティーの女達

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結城の運転する車は、館山駅近くの商店街の裏辺りにあるマンションに車を止めた。 結城は車を降りてマンションを見上げて 『このマンションの5階だよ。』 中瀬も車を降りて周りを眺め 『管理人さん居れば良いけどね。』 結城と中瀬は一階にある管理人室のブザーを鳴らし管理人を呼んだ。 ガチャ……… 『はい、なんでしょうか?』 暫くして管理人がドアの向こうから出てきた。 結城は鞄から腕章を出して腕にはめ 『自分、鴨川警察署捜査一課で若手教育係をやってる結城 純一郎と申します。』 管理人は 『警察の方が私に何か………?』 結城は 『503号室の住人の女性の件で聞きたい事が………』 管理人は 『503号室の女性でしたら1ヶ月前ぐらいから帰って来てませんよ。住人が居ない時に管理人室で一時宅配とか預かって集合ポストに宅配を預かってる旨、手紙を入れて住人が取りに来るのを待つのですが、彼女は全然取りに来ないんです。』 結城は手帳にメモを取りながら 『管理人さんは最後に彼女を見かけたのはいつ頃ですか?』 管理人は 『確か1ヶ月まえぐらいの午前中だったかな。旅行鞄、海外に持っていく様なタイヤの付いた鞄………』 中瀬はすかさず 『キャリーバックですか?』 管理人は 『そうそう、キャリーバックを持って自分の車で出かけたのが最後でしたね。私が挨拶をしたら、彼女も笑顔で挨拶をしてきまして。それが私が彼女を見た最後でした。』 結城は 『その時どこに行くとは言ってませんでしたか?』 管理人は 『そう言えば彼女から海外に行って来ますって言ってましたよ。ただ海外のどことは言ってませんでしたが………』 結城は管理人の言葉を手帳に書きながら 『海外ですか………車は何を乗ってたかわかりますか?』 管理人は 『海外の真っ赤なスポーツカーに乗ってましたよ。』 中瀬は 『ナンバーはわかりますか?』 管理人は 『ナンバーは偶然にも私の誕生日だったので覚えてますよ。ナンバーは………』 結城は管理人から教わったナンバーを手帳に控えた。 結城は鞄から名刺を出し管理人に渡し 『私、元刑事で今は便利屋を経営してるかたわら、鴨川警察署捜査一課若手教育係を頼まれまして、で 今捜査をしてる次第です。』 名刺を受け取った管理人は名刺を見て 『珍しい職歴ですね………』 結城は笑って 『よく言われます………それでは何かあれば連絡お願いします………。』 管理人は 『わかりました。その時は連絡を入れさせて頂きます。』 結城と中瀬は管理人と別れ車に戻った。 …………… 結城は運転席に座りエンジンをかけ、中瀬は助手席に座った。 中瀬は 『結城君、どうするの?』 結城は車を走らせ 『一度帰って作戦会議だろ。この事件、裏で何かあるのは確かだよ。』 中瀬は 『4人とも海外って、どこに行ったんだろうね。』 結城は 『まさかとは思うけど………真っ赤なスポーツカーを探して、多分飛行場の駐車場だと思うけど………そのスポーツカーがある飛行場から4人とも海外に行ってるぞ………』
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