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中瀬は
『また始まっちゃった………』
結城は
『わからずやはどっちだよ。イチゴを選ぶ敬子の方がお子ちゃまじゃん。』
敬子は
『本当に純君はわからずやの頑固だよね。普通はイチゴだからね。』
ガラ………
事務所の出入口が開き
『敬子と結城君、また じゃれあってるの?今回の原因は何?』
佳奈枝が事務所に入ってきた。
中瀬は
『今からかき氷を作る事になったんだけど………敬子さんはシロップはイチゴだって言うし結城君はメロンだって言うし………』
佳奈枝は
『毎回の事だけど、どっちでも良いじゃんって内容のじゃれあいだね。私ならブルーハワイだけど。』
中瀬は笑って
『毎度の事だけど、どうする?ちなみに私は練乳だけどね。』
佳奈枝も笑って
『もちろんお約束を選ぶでしょ。暫く見てよう。便利屋純一郎名物のじゃれあい。』
結城は
『俺が頑固なら敬子は大頑固じゃん。少しは頭を柔らかくしなよ。』
敬子は
『何ですってっ?どっちが大頑固よ。純君の方が大頑固じゃん。頭柔らかくしなよって、私が純君に言うセリフよ。』
中瀬は
『止めてくれないと思うけど、そろそろ止めようか。』
佳奈枝は
『そうだね、そろそろ止めようか………敬子〜、そろそろ止めない?』
敬子は
『佳奈枝、止めないでっ………こんな時こそこのわからずやの大頑固者に言って聞かせなきゃ駄目なの。』
佳奈枝は
『いつもの事だけど止めてくれないし。』
中瀬は
『結城君〜、そろそろ止めようよ〜。』
結城は
『中瀬さん、俺を止めないでくれ。このへそ曲がりに言ってやらなきゃいけないんだ。』
中瀬は
『こっちも予想通り辞めてくれないし。』
敬子は
『誰がへそ曲がりですって………へそ曲がりは純君でしょ。本当にわからずやの大頑固なんだから。』
結城は
『わからずやのへそ曲がりはどっちだよ。頑固なとこ直した方が良いよ。』
敬子は
『それ純君にそっくり返………って、えっ、純君………?』
結城は敬子を胸で抱きしめ
『それじゃ、メロンとイチゴじゃなくブランデーでも入れるか。』
敬子は結城の胸の中で照れながら
『ブランデーって、私は構わないけど高級なかき氷になっちゃうね。』
結城は
『それこそ大人のカキ氷かもよ。』
中瀬は
『あれ〜、あれだけじゃれあってたのに、今度は抱きしめ合っちゃったよ………』
佳奈枝は
『この二人、最近だんだん わからなくなってきてるって思ってるのは私だけ………』
中瀬は
『私も同じ事 思ってるし………』
結城は
『なぁ敬子、今日もじゃれあっちゃったね。』
敬子は
『うん、今日もじゃれあっちゃったね。』
中瀬は
『何て答えて良いのかわからなくなってきた………』
佳奈枝は
『私も同じ意見………』
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