第十章 魔法国家スフィーニ ―Magic nation of Sufini― 

16/20
前へ
/20ページ
次へ
「ごめんなさいね。大臣と王家とは折り合いがあまりよくなくて。ああ、大臣の名前はググゲル。私たち姉弟が不在の時、ずっと国を護ってくれたのよ。それは感謝しているんだけど…あ、大臣だけではなく、城には優秀な賢者と魔導師が3人いてね?国の公認の由緒正しき者たちなのよ。」 ステラをはじめ、4人はセシリオの隣に立つ二人の魔導師のほうに目をやった。 「まずセシリオの隣の女性魔導師。レオノラ・アンフォッシよ。」 「レオノラです。皆さんよろしくおねがいします」 歳はさほど変わらないのか。華奢な姿態に愛らしい顔(かんばせ)。 「彼女は氷の魔法が得意なの。歳はメイと同じね。代々王家に仕えているアンフォッシ卿の一人娘なのよ。」 レオノラは花のように微笑んだ。隙のない可憐な笑顔だ。 「で、こちら の男性の魔導師は‥」 「フィレーン王女、「イケメン魔導師」って言ってもらわないと困るぜ」 気障ったらしく肩までの髪をかきあげ、ステラをはじめ女性三人に向かいウインク した。確かに自称通り精悍な顔つきに、凛々しい瞳。色気のある視線。少し長い深い茶色の髪はニュアンスのある癖毛だが、それすら様になっている。 「スフィーニ王国公認魔導師ゾリア・マッケランと申します。以後お知りおきを。」 「ちょっとナ・ル・シ・ス・トだけど彼も魔法の腕は確かよ。閃光呪文や大地を操る呪文が得意なの。リーディと同い年でレオノラと3人で小さいころよく遊んでいたわね」 フィレーンはナルシストのところを強調して、また、ため息をしながらそう言って続けた。 「そして、私の第一従者である、ゴードン老師。スフィーニが誇る賢者の一人よ。 若い頃はリストンパーク王家に仕えていた経歴もあるの」 ゴードンも深々と礼をする。 「さて、もう堅苦しい挨拶はここでおしまいにして長旅で疲れたでしょう?もうすぐお昼だし 会食をしつつ今日は休憩して、明日いろいろ話し合いましょ?」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加