1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんなさいね。大臣と王家とは折り合いがあまりよくなくて。ああ、大臣の名前はググゲル。私たち姉弟が不在の時、ずっと国を護ってくれたのよ。それは感謝しているんだけど…あ、大臣だけではなく、城には優秀な賢者と魔導師が3人いてね?国の公認の由緒正しき者たちなのよ。」
ステラをはじめ、4人はセシリオの隣に立つ二人の魔導師のほうに目をやった。
「まずセシリオの隣の女性魔導師。レオノラ・アンフォッシよ。」
「レオノラです。皆さんよろしくおねがいします」
歳はさほど変わらないのか。華奢な姿態に愛らしい顔(かんばせ)。
「彼女は氷の魔法が得意なの。歳はメイと同じね。代々王家に仕えているアンフォッシ卿の一人娘なのよ。」
レオノラは花のように微笑んだ。隙のない可憐な笑顔だ。
「で、こちら の男性の魔導師は‥」
「フィレーン王女、「イケメン魔導師」って言ってもらわないと困るぜ」
気障ったらしく肩までの髪をかきあげ、ステラをはじめ女性三人に向かいウインク
した。確かに自称通り精悍な顔つきに、凛々しい瞳。色気のある視線。少し長い深い茶色の髪はニュアンスのある癖毛だが、それすら様になっている。
「スフィーニ王国公認魔導師ゾリア・マッケランと申します。以後お知りおきを。」
「ちょっとナ・ル・シ・ス・トだけど彼も魔法の腕は確かよ。閃光呪文や大地を操る呪文が得意なの。リーディと同い年でレオノラと3人で小さいころよく遊んでいたわね」
フィレーンはナルシストのところを強調して、また、ため息をしながらそう言って続けた。
「そして、私の第一従者である、ゴードン老師。スフィーニが誇る賢者の一人よ。
若い頃はリストンパーク王家に仕えていた経歴もあるの」
ゴードンも深々と礼をする。
「さて、もう堅苦しい挨拶はここでおしまいにして長旅で疲れたでしょう?もうすぐお昼だし
会食をしつつ今日は休憩して、明日いろいろ話し合いましょ?」
最初のコメントを投稿しよう!