第十章 魔法国家スフィーニ ―Magic nation of Sufini― 

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 会食の準備できるまでの時間、広間のサロンで待機することになった。  フィレーンはセシリオと侍女たちを連れて何やら別室へ。会食のための打ち合わせなどあるのだろう。 「ステラ殿久しぶりじゃな」 「老師!」 ゴードンはにこやかにステラに笑いかける。 ステラは振り向き一礼をした。 「数か月ぶりですね。」 キャロルたちも一礼する。 「また何故今回は、こちらに?」 「…あと一人の仲間を探しているのですが、何故かペンダントがこちらに向かって急に光を放ったもので…。それで、確かフィレーンさん…あ、王女様と老師が研究を続けているはずだということで、何かヒントが得られるかもしれないと思って。」 「そうだったのか…そちらの二人はエストリアにいて、あと仲間は残る一人。」 ペンダントの話題になり、メイはちょっと小声で隣のコウを肘でつつく。 「ねぇ、この方が大賢者様でしょう?プリオールまで憧れのキラキラ目で見てるけど私にはただのじーさんにしか見えないんだけど。」 「ねぇさん…。」 コウは苦笑した。魔法の類が全く使えない彼女は、ゴードンの醸し出すオーラがいまいちわからないらしい。もっとも老師の魔法が発動されれば話は別だろうけど。 ステラとキャロルがゴードンと話し込んでしまったので、二人はそっと輪から離れてソファに座る。 フカフカで座り心地は抜群である。その様子を勝手をわきまえている侍女たちが恭しく紅茶の入った カップを運んで、テーブルの上に載せてゆく。 「ひゃーさっすが一国の城の調度品はみんないいもん使っているよね。この紅茶もいい香り…。ところでさぁ、コウ?」 メイが急に真面目な口調に変わる。それは何かに気付いた時だ。 「あたし、ろくに話してないのに第一印象で人を判断するのは好きじゃないんだけどさ、レオノラさんってなんか、苦手。」 女の園で働いていただけあって、メイは女性を見る勘だけは鋭い。 「魔力は凄そうだね。僕も呪文は得意な方ではないけど、わかるよ。さすが王家公認魔導師だ。」 「私はそこはわかんないけど、ほら?リーちゃんつれてどっか消えちゃったしさ。」 ―私は当事者じゃないけど、なんかヤキモキするんだ。 メイの顔にはそう書いてある。 コウにもそれが何を意味するのかは分かっていた。と、その時、 「エストリアの舞姫、どうだい今夜僕と一緒に?」
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