第十章 魔法国家スフィーニ ―Magic nation of Sufini― 

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―行きなさいプリオール…ここは暫くの間は大丈夫でしょう…ただし…長くは好ましくありません、志(こころざし)果たしたらたらすぐに戻るのですよ― 「ひゃーー!あたしも初めてみちゃった!!」 メイが感嘆の声を上げる。 ステラもカナロア神を見るのは初めてである。彼女の場合は、驚きで声が逆に上がらなかった。 ―これが、カナロア神…。 ステラが目を見開いて見つめたその時だった。女神と目が合ったのだ。 ―古の尊き血を引く勇者よ…まずは、我以外の力得る為に…。世界の元素の神を訪ねよ…。 その時に、再び己の力、漲るであろう。 カナロア神は微笑すると、祭壇の上でくるりと回転して消えた。 ともあれカナロア神の許可を得たプリオールは、共に旅に同行することになったのだ。 *********************** 船の中でステラは一人フランベルジェを磨き思う。 ―カナロア神とペンダント…。 ペンダントの謎を研究するフィレーンさんたち。 神の力を得た貴石はものすごく綺麗で、水の力を得たコウの貴石は南の島の海の色だった。 海と言えばセイレーンが出てきて、再びお礼を言われた人間なんて私たちくらいなもんよね。 ―リンデル島を出航してしばらく経った時、突然海が波立ち、テルクシエ他数人のセイレーンが現れて 餞の歌を歌ったのだ。何も知らないプリオールは驚いていたけど。そうだ、竪琴の謎は解けたけど、 今度ロディアーニを訪れる時、ご隠居に何て説明しようか? ―あの半魚人。もっともっと巨大な何かの手先のようだった。魔性ともつながりがあるのかな…。  どうしても、これからの目的や、魔性のことばかり考える。使命として、一番の目的は、私たちは仲間を集わせて、封印を解くこと。そして魔性を倒すこと。世界が暗雲に飲み込まれつつあることは少しずつ感じては、いるんだ。 ―それだけではなく、他の仲間はまた付随して動機がある。  リーディは祖国を襲った魔性を倒すこと。あまり口には出さないけど、 魔性に対してものすごい執念があるのがわかる。 コウはペンダントの材質であるエターナル・メタルを探し当てること。亡くなったお父さんの遺志を継ぐってことだね。  メイはそのコウのお手伝いをすることと、あともう一つあるとか…。 確か自分のルーツを知りたいって。
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