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忠実に手紙に従い、付箋の貼られたページだけを読み進めることにした。
赤、青、緑、白。色鮮やかな四冊の日記たち。
どれも同じ類のものではなく、それぞれ花の絵や動物の絵が描かれたもの、無地のもの、昔流行った絵本のキャラクターのものなど、様々だ。
中を開くと字も、始まりの日付も、なにもかもがばらばら。ページの日焼けの度合いも、捲ると鼻の先に香るにおいも、違う。
薄い日記のうちの二冊だけは、他よりも比較的ページは黄ばんでおらず、新しいようだった。
さらにそのうちの一冊だけ、インクの字が特徴的だ。他の日記と違い〝同じペンでずっと書かれている〟のが見てとれるからだ。
ばらばらな四冊の日記だけれども。
確かにこの日記の書き手たちは、必死にもがき苦しみながらも、誰かを愛していたということ。
それだけは、変わらない。
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