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エピローグ
柔らかな陽射しが、君に降り注ぐ。目覚めた君を車椅子に乗せて歩く。
「寒くないか?」
「大丈夫よ、省吾さん」
君の声が聴こえてくる。君のお気に入りの遊歩道を、ゆっくりと二人で進む。咲き誇る花々に見惚れる君と、そんな君の横顔に惹かれる俺がいる。
君の前、地面に膝まづく。
「省吾さん? 汚れちゃうわ」
どれだけ君を愛しているか、君は知らない。
「もう離れるなよ」
首筋に手をあてて愛しい頬にキスをする。
「愛してる」
泣き出しそうに笑う君が愛しい。
朝 目覚めたら君が隣にいる。俺の一日がそれだけで鮮やかな彩りを放ち始まり出す。
君のために、言葉を紡ぎ続けよう。
[完]
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