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episodeー莉緒
パーティーが開催される少し前、『with love』著者サイン会が行われた。本来人前に出て行くことは気が進まないが、今回は出版社の担当に強く押し切られ承諾をした。
好みでは無いお茶を書店の女性に出され、珈琲を頼む。まだ時間があると店内を見て回ろうかとした時、出版社の担当者の姿を給湯室で見かける。
寄り添っているのはさっきの書店の彼女か。初々しく顔を赤らめた表情がやけに印象に残る。
サイン会が始まり彼女と視線があった。仲良くやれよの意でウィンクを投げつけると、彼女は顔を赤くして困っていた。可愛らしい仕草に可笑しくなって、肩を揺らして笑ってしまった。あれでは男は心配で放っておけないだろう。
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