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すると、白い壁にピシピシと亀裂が入った。
ギョ!っとして壁を観察していると、メリメリと隠し扉が開いた。
そこから出てきたのは、腰の曲がったヨボヨボのお婆ちゃん。
「ひいい?!」
思わず声が漏れて、ぱっと口を手で塞いだ。
お婆ちゃんの手に持ったハサミが小刻みに震えている。
まるでホラーだ。
「創業者の百々と申します」
「・・・・は?」
「よろしくおにゃがっ・・・がふ!」
おおおお!!!
入れ歯が飛びそうになって、元に戻った!!
お婆ちゃんは手に持ったハサミで、入れ歯の調整をした。
「がふ。お待たしぇ。さあ、切りますぞ」
え?そのハサミで?
そのハサミで切るの?
て言うかお婆ちゃんが切るの?!
「ちょ、、ちょっと・・・!」
立ち上がろうとした俺を若い店員さんが止めた。
「大丈夫です。腕は確かなので」
えええ?ほんとにー?!
「そうじゃよ、ろくに100年も生きておらんわ!ひゃっは!」
ひゃ、百年・・・?!
御年100歳の百々さんのハサミが、ヒヤリと俺の髪に当てがわれた。
ひいぃぃ・・・!!
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