知的黒猫《インテリくろねこ》と美的乙女《ゴスロリおとめ》

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◆其の参の梅 美とは和算ではないのです◆ 「乃音湖さんはインテリ黒猫さんですよね? では植物園に行きましょう!」  向こう岸をびしりと指さしながら乙女は叫んだ。ついんてーるとかなんとか、結われた髪が嬉々としてはねる。毎度ながらなんとも突然で強引な導入である。 「あ、逆ですね。こっちでした」  と秤木の駅舎の方を指し直す。 「こんにちは、珊瑚ちゃん。今日も元気そうだねえ」 「ご機嫌ようです、おじさま。というわけでわたしと乃音湖さんは植物園に行こうかと思いますが、おじさまはどうでしょう?」  吾輩が行くことは確定なのか。 「そうだなあ。外は寒いから。二人で行っておいで」 「ここも外ですよ」 「おお、忘れていたよ」     
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