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「・・・ん?」
予想外の感覚に僕、予想外の光景に山崎、どちらとも言えないま抜けた声がする。
「失恋したんだろ? じゃあまだ私にもチャンスがあるってこった」
そんな小森さんのいつもよりちょっと熱を帯びた声が聞こえ、続けて山崎の絶叫が響き渡った。
「おい吉村てめぇ! 小森のちっぱい揉んでおきながらほっぺにちゅーまで食らうとは・・・!! 許せん! 俺にもしろ小森!!!」
「ふざけんな変態」
彼らの会話を聞きながら、僕は頬を抑えた。
会話の内容から、さっきの柔らかいもの感触は、小森さんの・・・唇?
そう思った瞬間、かァァっと顔に熱が集まり、沸騰しそうになる。
「じゃあな」
小森さんはそう言ってケラケラ笑いながらそうそうにかけて行ってしまったが、山崎はまだ悔しそうな声を漏らしていた。
「くそー、こんなことならオレンジジュースなんてかけるんじゃなかったぜ」
その言葉に、僕はあることに思い至り、はーっと息を吐く。
「・・・本当に、今日は山崎の言う通り告白日和だったかもね・・・」
「あ? こんな日、告白日和でもなんでもねーよ! ケッ!」
拗ねているであろう山崎。
僕は、ははは・・・と曖昧に返事をする。
結果論から言えば、山崎は曲がりなりにも、そりゃもう見事に曲がっているが、彼は告白をするべきだということを当てたのだ。
いや、厳密に言えば告白はしていないけれど、彼が定員さんにオレンジジュースをかけなければ、この公園にきて小森に出会ってもこんなことにはならなかっただろう。
「ほんと君って怖いよね・・・」
「はぁー? 俺は、おっぱい揉んでほっぺにちゅーまでしてもらったお前の運が怖いわ」
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