練習4~99

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 体育館裏での告白練習の次の日。  僕たちは夕暮れの河原に来ていた。無論『次はロケーション』だからだ。 「川のせせらぎが落ち着いた良い雰囲気を作るかと思ったが、案外に川がうるさいな。これではせっかくの告白が掻き消されてしまう」  天才は例のバイブルに何かを書き込みつつ、今日もブツブツ呟いている。 「他にどこかいい場所があるだろうか」 「うーん、そうだなあ。平日に呼び出すのなら、学校からあまり離れていない場所がいいだろ。あそこの観覧車のとことかどうだ? 夕方からイルミネーションやってるらしいし」 「ほう、なるほど。では明日はあそこに行ってみよう」    そして次の日、僕たちは観覧車の下にいた。 「イルミネーションは綺麗だが、人目が多すぎるな。これでは彼女が晒し物になってしまう」  とのことで却下になった。 「さて、じゃあ次は……」  それから毎日僕たちは『告白ロケーション』を探し回った。  次の日は砂浜、その次の日はデパートの屋上、さらにその次は高層タワーの展望台。  1週間かけて、おそらく90か所以上を回った。  そして結局のところ学校が一番人目が少なく、制服でも目立たず、アクセスも良いという結論になり、最初に練習した体育館裏に決定した。
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