夢色タイムマシン

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 ガサガサと強い音を立てて風に押しやられるように窓に木々の葉が擦られる音を聞きながら、机上の赤い光だけの部屋で、ただ目の前の日記帳に文字をさらさらと綴る女性。  まだ少女から大人の女性へと変わったばかりのように幼さが残る顔立ち。ぱちりと大きく開かれた瞳は文字を追い、右へ左へと忙しなく動く。 「ふう。これで今日の分は終わり」  桜色に小さな三日月がワンポイントとして描かれたボールペンを机に置き、ぐっと両腕を組んで前方に伸ばすと、ストレートで淹れた紅茶のような上品な赤い表紙の日記帳をパラパラとめくる。 「今日でこの夢日記も100日目か。我ながらよく続いたよね」  今までの夢を綴った日記帳の表紙をそっと撫でる。  すると日記帳全体がまばゆい光に包み込まれ、女性は咄嗟に目を閉じて顔の前を腕で隠した。 「なっ、何!?」  光は部屋全体をも覆うほどにまでなり、だんだんと女性の意識が遠のいていく。
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