夢色タイムマシン

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 そう思って雨が降りしきる中、折りたたみ傘を差して園内を歩いていたとき、ふとちとせの目に入った観覧車。 「確か、夢では観覧車から眺める雨の遊園地はどんな感じだろうって思ってこれに乗ったんだ」  雨で空いてる観覧車に乗ってみる。ちとせ以外に観覧車に乗っている人はいないのではと錯覚してしまうくらい、雨だというのに静かだと感じる。  時折ガタリと揺られながら何もせず、ただ座っている。窓についた水滴が僅かに風で横に流れていくのを眺めるだけの時間が流れる。  それは待てども待てども終わりの来ない観覧車のようで、ずっと回り続けている。もう何周しただろうかとちとせがぼんやり考えたところで、観覧車から園内を見下ろす。遊園地は人もまばらで、子供が園内でもらったチラシで折った紙飛行機がアーチを描き、地面に落ちる光景が目に入る。 「あの紙飛行機、覚えてる。夢の中で、この観覧車に乗って、水を吸って駄目になった紙飛行機に泣いてる女の子とそのお母さんを見てたんだ」
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