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(やっぱり、あなたに伝えろっていうことなのね)
だが、ぐっと唇を噛み、元彼を見つめたまま口を開く。
「わっ、私、あなたに言わないといけないことがあるのっ!」
ちとせの言葉に元彼は何も言わずに笑って頷き、優しく頭を撫でた。
そのことに忘れていた息を吐き出すようにほっと安堵し、ちゃんと彼と向き合い、元彼に伝える決意をする。
するとちとせの見ている光景が全て薄い靄がかかったように白く霞んできて、自然と瞼が重くなる。ちとせはその重さに逆らうことなく、ゆっくりと目を閉じた。
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