文明への抗い

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文明への抗い

 遥か昔、この地は幸福に包まれていた。  ある栄えた王国のおかげで様々な部族が手を取り合い仲良く暮らし、王国もその部族達の力を借りながら少しずつ、富、名声、栄誉に幸福を増やして行った。  しかしある日の事だった。  その王国ですら、考える事の出来ない程の高度な文明を持った帝国が突如空から降り立ち、王国は抗う事が全く出来ず、一晩を待たずして一瞬にして崩壊してしまったのだ。  そして、その恐ろしい文明を持った帝国は、この大陸の6割程を一瞬にして支配する事となり、それから長い月日が流れた。  大陸の端へと逃げ出し、帝国に見つからない様にひっそりと生きてきた様々な部族達は静かに反撃のチャンスを伺っていた。  そしてある日の事、賽は投げられた。  この世界は創造主である神が姿を消したり、眠りに落ちると同時に人間達は意識を表に現し活動を始めるという不思議な世界。  この日も神が眠りに入り、人間達は活動を始めた。  シャイン族という部族の族長『シン』はこの日、帝国に対して攻め込むつもりでいた。 「宝剣を我が手に!」  シンはシャイン族に伝わる宝剣を手にする為、戦士の1人に宝物庫から持って来させる様命じた。 「族長、お納め下さい。そしてこの宝剣で、我らが王国の復興を…!」  シンに宝剣を渡した戦士は部族を代表し皆の気持ち、その思いの丈を族長であるシンにぶつけた。  シンは静かに頷く。そしてゆっくりと立ち上がり右手に持つ宝剣を高く、そして大きく掲げ、勢いよく叫び出した。 「民よ! 王国を取り戻すぞ! 奮い立て! 我らの王国の為に!」 「王国の子等に神の祝福を!」  シンの叫び声に続く様に、シンの右腕である参謀も声を荒げた。 「そうだ! あの場所に居て良いのは帝国なんかでは無い!」 「俺達を必要としている王国なんだ!」  シャイン族達はシン、そして参謀の声に続く様に大声を上げ、右腕を高く掲げた。
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