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「そうね、そうかもしれないわね。だとしたら、私もこの一件、知る権利があるわね。余計な策略を仕掛けてこなければ、姉が死ぬ事もまゆが殺される事もなかったのだから」
残りのバーボンを一気に飲み干したさつきママは、続けてこうも言った。
「感傷に浸っている時間はないわね、芳本刑事さん。もうね、何も失いたくはないの。キリカを取り戻すわ。生方キリカ、湯江キリカの記憶がないキリカでも、私にとっては大切な友達だから」
それから二年もしないうち、警察上層部が企てたこの記憶を上書きして更生の道を――というプランは公式発表される前に明るみになり、賛否両論世間を賑わかせる。
どこの誰がリークしたのか、それはわからない。
だが不思議と、キリカとの再会は近いような気がした。
―完結―
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