その果ての刃

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◆◇◆◇◆  最後の署名は、ただキリカとだけ書かれている。 「これって……」  一度読んだ俺は、普通の人ならどんな反応をするか、キリカに対し何かしらいい情を抱いている者ならどんな反応をするか、だいたいの予想は出来ていた。  友だと言ったさつきなら、きっとこんな反応をするだろう――と。  まさに予想通りの反応だった。  言いたい事、感じる事は悲しみや怒りとも違う、複雑なもので、その思いをぶつけるあてもない。  ただわかっていることと言えば―― 「つまり、誰かの意図があって湯江キリカという人物が出来上がり、また彼女が真実を知った事で、また別のキリカが生れるかもしれない……ということ? こんな、神でもないのに人の記憶を操作するなんて。禁忌だわ」 「そうだな。だが、使い方によってはそれで助かる者もいる――というのが上層部の考えなんだよ」 「上層部?」     
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