闇オークション

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「本当に、ペットショップの犬と同じだな」  なんにしても、このままホテルの床に転がしていくわけにもいかない。そう思って抱き上げたがーー。 「軽い……」  これが人、ひとりの重さか?  だらりと下がる彼女の腕の細さに、そしてひじの内側にある青い痣にゾッとさせられた。  薬漬けにされてたのか? 逃げないように?  彼女をベッドに横たわらせ、息を吐きだす。 「どうすりゃいいんだ……?」  番でないなら、転売すればいい。なんて安易なことを考えていた俺をぶん殴りたい。 「医者、だよな……?」  彼女がオメガかどうかは別として、こんなに衰弱していたら医者に見せるのが当然だろう。  問題は、俺が彼女を買ったという事実だ。  しかも説明書に書いてあったが、彼女の戸籍はないらしい。そうなると「普通」に診せることなんてーー。
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