通学と保護者

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 鏡の前でクルリと回って、じっと自分を見つめる。  悠人さんが用意してくれた制服は、私が見たことのあるどこの制服よりも可愛い。 「学校……」  中学まではちゃんと通ってた。それまでは普通の中学生。オメガだってわかっても、両親は私をすぐに施設に入れようとはしなかった。 『オメガって言ったって普通の人間なんだし、なにより私達の子供に変わりないんだから!』  そういわれて、私も気にすることは止めた。ううん、そもそもオメガって意味が分からなかった。  判別検査は政府が義務化はしてるけど、匿名で受けるものだから、結果も子供の保護者にしか分からないようになってる。  そもそも私の周りにいた人達はベータで、そのベータにはオメガのフェロモンを感じることはないから、気にする要素なんて何処にもなかったのだ。
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