闇オークション

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「だから返品するの? 他のアルファに見せるため? それとも犯して本当に番じゃないか確かめる? 他のアルファにも犯させて、見世物にするの!?」  彼女の言葉に、絶句した。 「……君、今までそんなことを?」 「うるさいっ!」  はらりと彼女の肌を滑り落ちるシーツ。顕になる肌には、数えきれないだけの傷があった。 「もう、貴方達の言いなりになんてならないっ、もう、これで──」  ぐっと握られる万年筆。彼女はそれを喉に突き刺そうと──。 「やめろっ! お前はもう自由だ!」  俺がそう叫ぶと、彼女は動きを止めて、ゆっくりと俺を見た。 「死ぬ必要はない。お前の言うとおり、俺達は番じゃない」  俺の言葉に、彼女の大きな目が反応する。まるで、野良猫のような、警戒心たっぷりな目だ。 「だから、お前はもう必要はないが、あのオークションでもノーリターンと言われてる。転売するのも面倒だしな、だから好きにしろ」 「……」 「とりあえず、物騒なそれを喉から離してくれないか? ここで死なれても困る」
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