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「あぁ、完全に外れてるね。そういうの専門じゃないけど早く戻さないと」
「──触らないでっ!」
悠人の差し伸べる手をパシンッと払い除け、肩を庇うようにしてズリズリと下がり俺達と距離を取る。
「でも痛いでしょ?」
「──っ」
痛みで涙を浮かべながらも、彼女は警戒心を解かない。
「さっさと治してもらえ。いつまでもそうしてる訳にも──」
「自由だって……」
「あぁ?」
「あたしは自由だって、言ったくせにっ」
ヒステリックな口調に、こいつも女なんだと少しばかりうんざりした。
「自由だからって、目の前で飛び降りるやつを見てるだけの馬鹿がいるか?」
別に善人ぶるつもりは無いが、それでもまともな神経を持っていたら、大抵のやつは俺と同じ行動を取るだろう。
「……助けてって言っても、助けてくれないくせに」
「……」
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