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「取りあえず、朝食だ。よく分からんからスープを頼んだが……」
向かいに座り、テーブルの上にあるスープをじっと見つめてる。悠人が言うには、まともに食べてないようだからスープにしたんだが……、まさかそのまま猫みたいに飲んだりしないよな? なんて俺の阿呆な想像を覆し、彼女は手元にあるスプーンを手にした。
ちゃんと人間らしく食べる姿にホッとする。
「それを食べたら痛み止めを飲め。ここはチェックアウトするから移動するぞ」
「ーーっ」
俺が薬を差し出すと、異常なまでに驚いてスプーンもそばにあったクラッカーも床にばらまいてしまった。
「ったく、何やって」
「ーーごめ、ごめんなさいっ、ちゃんと食べるからっ ちゃんとっ」
急に立ち上がったかと思えば、床に這いつくばって落ちたクラッカーを拾ってーー。
「バカか! やめろっ!」
食べようとするミイを制そうとしたら、急に動いたせいか今度は食べたものを吐き出した。
「ーーうっ、ごめんなさい……、ちゃんと食べるから、ぶたないで……」
そいて吐瀉物もクラッカーも、震える手でかき集めはじめて……。
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