ペットを飼う

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「やめろ!」 「ーーっ」  それを止めさせようと手を取れば、外れた肩が傷んだのか顔を歪めた。 「悪い! 痛いか? て痛いよな? 本当にすまん。でも落ちたものは拾うな。吐いたものもそのままでいい」 「……」  俺がそう言うと、ミイは驚くように俺を見た。って、そんな驚くようなことじゃない。が、彼女は今までそうすることが当たり前の世界で生きていたってことなんだろう。 「……とりあえず、シャワーを浴びろ。あぁ、着替えか……、それはすぐにホテルに用意させるから、とにかく浴びてこい」 「……でも」 「いいから。朝食は改めて胃に優しいものを持ってこさせる。バスルームはそこだ」  俺が指差すドアを見て、それから俺を見上げる。 「早くしろ」  そう言うと、ビクッと体を揺らしてやっとバスルームに向かった。
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