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「あー、とりあえず俺の家に居ることになるけど、そうだな、遠い親戚ってことでいいか?」
「……」
何を言ってるんだろう?
「そういうことにするから、わかったな? ミイ」
「──っ、はいっ、えと……」
名前を呼ばれてドキッとした。それはあたしの本当の名前ではないけど、それよりもあたしは新しいご主人様をなんと呼べばいいんだろう?
「竜生」
「……」
「竜生、ドラゴンの竜に生きると書いて竜生。ご主人様なんて絶対に呼ぶなよ? ハズいにも程がある」
「……はい、竜生、様」
流石に呼び捨てなんてしたら殴られる。だからそう呼んだのに、彼は うなだれるようにまたハンドルにもたれため息をついた。
「なんで様なんだ? 呼び捨てでいいんだよ! 親戚だっつったろ!?」
「──ごっ、ごめんなさいっ」
「……いちいち謝るな」
「ごっ、──いっ!」
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