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「ごっ、──いっ!」
慌てて自分の口を塞いだら、肩が痛くて悲鳴を上げそうになった。
「あー、馬鹿だな。そうだったな、病院も行かねぇと」
「……」
そう言いながら、彼は手を伸ばしてあたしの左肩をゆっくりとさすった。
「あ? なんか変なこと言ったか?」
変、だと思う。
「まあいい。そうだな、お前は親戚の子で、治療のために上京してきた。よし、これで行こう。わかったな?」
「……はい、竜生、さん?」
やっぱり呼び捨てには出来なくて、でも怒られたくなくてそういえば、彼は呆れながらも「まぁいいか」と笑ってくれた。
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