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「どうかなさいましたか? 神坂副社長」
思わず溢れるため息に、秘書の有馬に指摘された。
「いや、なんでも無い。悪いが急ぎの仕事だけ回してくれ」
「……畏まりました」
何か言いたそうだったが、まあいい。
長い間、日本では後継者不足という問題に直面していた。最早、血族のみによる経営は時代遅れ。力なきものがトップに立てば、列強諸国から押し寄せる波に簡単に飲まれてしまう。
そんなことになれば、『日本』というブランドもなんの意味もなさない。
そのため、国を上げてアルファを育て、優秀なアルファを後継者として企業に売りつけることを思いついたのだ。
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