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今いるこの会社も、もともとは一族会社で秩序もなにもあったものでは無かった。
派閥なんてものに振り回され、ろくな仕事も出来ない無能な管理職、そいつらに媚びへつらう使えない社員。
俺がこの会社に入ってやったのは、秩序の再構築。至って簡単だ。年齢経歴性別を問わず、有能な人間のみを登用し、権限を与えた。
勿論、反発はあったがそいつらにはある程度の尊厳と言う名の金をもたせ黙らせた。
金が全てだと思ってる低能など、適当な仕事と報酬を与え、あとは理由をつけて解雇。
どうせ、叩けばホコリしかでてこないような奴らばかり。簡単にカタはついた。
「神坂副社長、社長が呼んでおります」
有馬の言葉に、また思わずため息が出た。
「分かった」
ここ、『菱峰』はいわば商社だ。もともとは貿易を生業としていたらしいが、今では日本屈指の大規模商社と言っていい。
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