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彼女もそう感じたのかどうかは分からないが、その子犬に彼女はゆっくりと指を差し出した。
怯える子犬は唸りながらも、さらに体を縮めていく。縮まらない距離に諦めたのか、手を引っ込めようとしたとき。
パタ……。
少しだけ、しっぽが振れた。
パタパタ……。
じっと見ていると、今度は二回。
「ふふ、お嬢様に気を許したみたいですね。抱っこしてみますか?」
その提案に俺を振り向くミイ。そんな顔させたら、反対なんて出来ねえよ。
俺が許可すると、彼女は店員に言われる通り椅子に座り、子犬を待った。
「はい、どうぞ」
ケージから出てみれば、確かに他の人チワワより一回りもふた周りもデカく、子犬の範疇から外れているかもしれない。
膝に置けば、子犬は足を伸ばしてミイにすり寄る。ミイもそれを嬉しそうに受け入れていた。
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