僕とシロさんの初めての夜

3/3
3066人が本棚に入れています
本棚に追加
/149ページ
下肢が濡れるのが分かる。屹立した僕自身から先走りのような蜜が零れた。それはもう抗いようもなく、僕の快感を無理矢理に引きずり出している。それはきっと動物の本能で、そうされたら、こう反応を返してしまう、そういう風に僕の身体は出来ている。違う、僕の身体じゃない、このシリウスさんの身体がそうなのだ。 シロさんが僕の身体を舐め上げる。くすぐったいような、気持ちいいようなふわふわした思考で、もう何も考えられない。 尻尾を撫で回していたシロさんの、指がするりと尻の間を割って滑った。何処に入れるんだろう? って思ってたけど、やっぱりそこだよね……でも、お尻でそんな事本当に出来るのかな? 「んっ……」 シロさんの指が僕の穴を突く。硬く閉じたその口が開く事なんてありえない、なんて思っていたのだけど、僕の身体はそれに反してなんなく彼の指を飲み込んだ。 「あんっ……」 身体の中を蠢く異物、それが彼の指だと分かっていてもどうにもその違和感を拭えない。 「キツイか……?」 僕はふるふると首を横に振る。キツクはない、けれど、おかしな感覚。違和感を持っているのに僕のそこはもっともっとと刺激を求めるのだ。 2本目の指が入ってきた。それでも僕のそこは簡単にその指を飲み込んだ。 「シロ……さん、怖い……」 僕の物ではない僕の身体は、貪るように彼を求める。 「大丈夫か? 止めておくか……?」 シロさんが僕の瞳を覗き込んで、心配そうにそう言った。僕はまたしても首を横に振る。止めて欲しい訳じゃない、僕が僕でなくなる事が僕は怖いんだ。下肢が濡れる。それは、僕の中から溢れ出して尻穴まで濡らしている。 「やめ……ないで…シロ、さん」 きっとこの身体は彼を受け入れられるように出来ている。だったら僕は最後まで、彼を受け入れたいとそう思った。 3本目の指が侵入してくる、今度はさすがに少しキツイ。けれど、入れている方の手とは逆の手で、またしても尻尾を撫でられた。その快感に身体がびくりと飛び跳ねた。 「ひあっ!」 指が3本僕の中で蠢いている。抜き差しされるそれを僕の身体は柔く受け止め、尻尾の刺激でもう僕自身は達ってしまいそうだ。 「シ、ロさん……ねぇ、シロさん、を……中に、ちょうだい……指は、いや……」 驚いたような表情のシロさん、けれどすぐに指は引き抜かれ、代わりにあてがわれた彼のモノは熱く大きく、少しだけ怖くなった。こんなの本当に入るのかな……? 「スバル、力を抜いて」 「う、うん……」 そのサイズ感に尻込みした僕の熱は少し引く。けれど抱え込まれた尻、今度は両手で尻尾とその付根を刺激されて僕の理性は飛んでしまう。 「あんっ、やぁ……そんなに、された…ら、あぁぁ……!」 身体をヒクつかせている内に、楔を一気に押し入れられた。はくはくと息も出来ずに僕は涙を零す。 「まだ、まだだぞ……」 まだ? どういう事? 涙目で結合部を見やれば、彼のそれはまだ半分程しか僕の中に収まっていない。 「嘘……」 先程の指とは比べ物にならない質量、けれどそれもまだ半分。 尻を持ち上げられ落とされる、声にもならない悲鳴が漏れた。 「ひっ……待…って」 「もう、無理だ」 一気に腰を押し入れられた、内臓が圧迫される、何もかも支配されたようなそんな感覚に僕の身体は震えた。 「あっ、あっ、や……あっ」 一押しごとに彼が僕の中に収まっていく。腰を抱く彼の腕はもう僕の尻尾を刺激すらしていないのに、僕の身体はその一押しごとに跳ね上がった。気持ちいいのか痛いのか、もうよく分からない。変な脳内麻薬でも出ているのだろうか? 僕の肉壁はその打ち込まれた楔に纏わり付いていく。 「ねぇ、ま……だ? もう、おなか、いっぱい……だよぅ……」 「これで、全部、だ!」 最後に一突き、僕の視界はハレーションが起きたように白く霞む。 「いっ……あぁぁあぁ…」 これで、全部……これで終わる、と思ったらゆるりと腰を揺さぶられた。 「うそ、シロさ……まっ、あぁぁ、あん、ひぅ」 再び耳を甘噛みされ、尻尾の付根を撫で上げられた。苦しいのに気持ちが良くて、もう訳が分からない。 「少し、緩めてくれ……動けない」 「や……無理ぃぃ……」 こっちはもう息も絶え絶えだと言うのに、そんな無茶な要求されても困る! シロさんは僕の言葉に自分が動く事は諦めたのか、僕の身体を撫で回し、舐め回し始めた。 「うっ、んふっ……」 「どこが気持ちいい? 私に教えてくれ」 「そ…んなの、分かんな……あぁぁっ!」 シロさんの指が僕の尾の付根を再び叩く、僕はその刺激で達ってしまった。うん、そこはもう間違いないもんね…… シロさんが眉間に皺を刻んで僕の腰を強く抱いた。あ……もしかして、シロさんも? 弛緩しきった僕の身体をシロさんがゆるゆると蹂躙する。 「っく……」 あ、なんか温かい…… 「シロ…シロゥ……」 「あぁ……シリウス……」 瞬間、僕の思考は停止する。今、なんて言った……? はっ! としたようにシロさんが顔をあげ、首を振って「あ……いや、違う、スバルっ! 今、シロウと呼ばれたから、つい!」と、声をあげた。 「つい、シリウスさんの名前呼んじゃったんだ……?」 きっと、今、僕の顔は怖い顔をしていると思う。だって、シロウはシロさんの名前だろ! それをちょっと呼んだだけなのに、こんな寝屋で僕以外の人の名前を呼ぶなんて! しかも達ってる最中に!! 「シロさん、サイテー!!!」 僕は思わず彼の鼻面を引っ叩いた。だって僕、シリウスさんでも浮気は許さないって言ったはずだよ! 僕は彼の腕の中から這い出した。重量感のあった彼のモノももうすっかりしぼんでいる。 僕の股の間から恐らく彼の放ったモノが零れ落ちたけど、僕はそんなの構わずに服を着込んだ。 「僕、向こうの家に帰るから、しばらく顔見せないで!」 そう言って、僕はシロさんの家を飛び出した。 「え……おい、スバル! 待て……!」 背中に慌てたようなシロさんの声が追いかけてくるけど、知らない、知らない、シロさんの馬鹿! 当分許してなんかあげないんだから!!
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!