嫉妬深くて何が悪い。

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   二十一歳(真性)花盛り、朔夜こと大山井作……!くっ……!やっぱり天然の若さは眩しい。それに大山の親分さん……!殿に側室を連れて来たかのように誇らしげに、しかも服まで誂えて飾り立ててあげて……! 「主さんっ……」 「朔夜、よく来たね。弥助も岳も。志月と伊吹は?」 「学院から俥で参ります。旦那様をお待たせして申し訳ございません」 「私達が早かったんだ。孫達が待ち切れなくて迎えに来たものだから」  流石に飛びつきはしなかったけれど、ずーっとじーっと旦那様を見つめる目。そんな目で俺の旦那様を見るなぁぁ……!だがしかし俺は主催者側の従者。旦那様のお顔に泥を塗らないように完璧に振る舞わねばならない。客人を席へ案内し、膳が運ばれるのを指揮し、旦那様の後ろで影のように…… 「へえぇ……貴方がフォール先生?」 「ええ。ようこそ井作さん」 「親分さん達も志月先生も口々に綺麗や綺麗やゆうてはってたけど……ほんまに綺麗〜〜」  大きくまるい黒目がちの瞳で、俺を品定めするようにずいっと見上げてくる。そしてぼそっと呟いた。 「…… 年 の 割 に は 」 ……………ぁあぁん?  
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