Green Eyed Monstar

嫉妬深くて何が悪い。

　
　旦那様が信頼される方々にもそのように……過分な期待と言えど、少しなりともお応え出来るよう襟を正し
「もぉ！主さんたらすぐにそうやってぇ〜」
「こんな可愛らしい手が荒れてしまって可哀想に」
「たとえ手が荒れても、お仕事さして貰えて幸せです」
「そうかそうかー感心だねー」

　何やってやがるジジィ。

　いやいや。酒に弱いくせにあんなに銚子を空けて……！大体、あちらの毛氈にはお子様方、お孫様方までいらっしゃるのに何をいちゃいちゃと……！弥助親分も何を微笑ましく見守って……はっっ……もしや本当に、旦那様に新しい愛妾を充てがうお積もり……！？
「じっ……、ジェイムズ。どど、どうだろう。志月や伊吹もいる事だし、久し振りに歌など歌ってみては……」
「久し振り？つい先日、式典で合奏も合唱もご一緒させて頂きましたが？三原様もご出席なさっておられたではありませんか」
「そうだったかな……」
「ええ」
　などと言ってたら、あちらから三味線が聞こえて来た。井作が旦那様の横ではんなりと……！どこから三味線なんて出してきたっ！でも……流石と言おうか何と言おうか。どうせ俺には都々逸なんて歌えやしない。