嫉妬深くて何が悪い。

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   旦那様は、昨日の志月様と私が語らう姿がお似合いで、目に焼き付いて離れないとか宣う。こっちは他の(若くて可愛い)男とのいちゃいちゃふにゃふにゃを見せつけられたってのに何言ってんだ。 「志弦が生きていた頃は……貴方は志月とそうしていたように、とても穏やかに笑っていた事を思い出して……」 「……………」 「私は、志弦に恥ずかしくないよう、貴方を幸せに出来ているのかと……」 「昨日のお振る舞いは志弦様にもどなた様にも恥ずかしかったと思いますが?」 「だってっっ!鬱々としているうちに酒を過ごしてしまったんだっっ!」  酒のせいにして。  しかし日本人は、身分の境なく、何故酔っ払うと脱ぎたがるんだろう。すぐ相撲を取りたがるし。噂に聞いていた弥助親分と岳親分の入れ墨は芸術的に美しかったけれど、井作まで脱ぎ出したらどうしようかと思った。でもそこは分別があったようでほっとした。取り敢えず、脱いだ方々みんな、風邪を引いて反省した方がいいと思う。 「日本男児は古来より、裸の付き合いと言うものが好きなんだよ。銭湯で慣れてもいるしね」 「では私も脱げば良かったですね。裸のお付き合いとやらで、きっとより親しくして頂けましたでしょうに」  
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