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「貴方は本当に困った人だねー」
「またそんな締まりのない顔で……んんっ……!」
「そんなに私が欲しい?」
「もうっ……!」
折角開いて閉じたのに、また開いた袂。腰紐を解くと仄灯りに浮かび上がる体がたいっへんに美しい。うっすら浮かぶ筋肉がまた何とも……私は偏平な胸と筋肉がどうにもこうにも好きなんだなぁ。は───愛おしい……
「だめです……そんな」
駄目と思っていないのに駄目と言う方が嘘つきであろうに、何故みな繰り返すのか。こればかりは抱かれてみないと解らぬものだ。伊織は何でも教えてくれたが、そこだけは頑なだったし。やはり惜しい事をした。
自分がして欲しくてして貰えなかった事を全て相手に注ぎ込むのが好きだ。どこもかしこも柔らかく開くまで愛でるのが。私の指と唇が触れてはいけない場所などどこにもなく、全てが私のものだと実感できる。
「お願い、離してください、もう……───っ!」
魚のように白い体が跳ね、気を遣ってくれるのがまた楽しいし愛おしい。交わしたら交わしたで情と言うのはよきものであって。
「あ、ぁ、ぁ……んんっ……」
「痛くない?」
「いちいち聞かないでくださいっ……ぁんっ……」
「貴方は本当に可愛い声で鳴いてくれるねー」
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