第四章 人生が重なる時~手に入れた幸せ

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 「それじゃ、帰る。芽生(めい)の両親に報告しないと駄目だから」  会話が途切れたのをタイミングと思ったようで、昴流(すばる)が両親に言った。  「それに芽生を早く家で休ませたいんだ。心配だから」  昴流は男だから詳しくないはずだけど、普通に交際しての妊娠ではなかったので、心配なのかもしれない。  「あら、ごめんなさいね、芽生さん。そうよね、三か月くらいなら大事にしないと駄目な時期よね……」  「いえ、それは大丈夫ですけど……」  言いかけた芽生を昴流は止めた。  「そうだよ。経験者の言うことはきかないと」  「そうよ。  今日はこれで帰るのは仕方ないけど、また来てほしいわ。それと、私たちのこと、お義父(とう)さん、お義母(かあ)さんと呼んでもらえる?  これからは家族なんだから気軽にね。私たちも芽生ちゃんって呼びたいわ」  芽生ちゃん……大学生なので相当恥ずかしいけど、さん、と呼ばれるよりは親しい感じがしたので芽生は頷いた。昴流の両親が自分を歓迎してくれるのは嬉しかった。  「はい、そう呼ばせてもらいます。  あの……また、昴流くんと一緒にお(うかが)いします……お義父さん、お義母さん」  芽生の呼びかけに二人は嬉しそうだ。家族の和解の一部になれたかもしれないと、芽生も嬉しくなった。
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