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「え、養育費?」
全然考えもしない言葉を聞いた芽生は訊き返していた。
「ああ、金くらいしか父親らしいことできないからな。
もう、芽生、俺と会うのも嫌だろ。今は冬夜さんに言われたから話してくれてるんだろうし。
だから、せめて金で芽生と子供を支えたいんだ」
責任感の強い昴流らしいと思った。もし、それを受けたら、両親が出産を認めてくれる理由になるかもしれない。
「聞きたいの。昴流は子供が出来て本当に嬉しいの?」
即座に昴流は頷いた。
「もちろんだ。そんなつもりはなかったけど、芽生が俺の子供を妊娠した。悪いとは思うけど、本当に嬉しい。
好きな女に自分の子供がいる。喜ばない男がいるとは思えない」
昴流から出た言葉が芽生には信じられなかった。
「好き?私を?」
もう一度、昴流は頷いた。聞き違いではないと分かった。
「でも……昴流には……」
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